飲まなくなってこれで20回目の正月になる。たいていは恒例の御岳山荘で過ごす。毎年電車とバスで向かっていたが、今年は初めてレンタカーでケーブル下の滝本まで出かけた。板橋から滝本まですこし渋滞もあっておよそ二時間半。雪にならずに済んだのがせめてもの幸いである。
山荘に着いてからは夕方ちょっと出かけて山頂の武蔵御岳神社へ。宿に戻って入浴と食事。豪勢な料理である。そして深夜のカウントダウンでふたたび神社に参拝。平成25年の元日を迎えた。今年は夏に東京大学大学院修士課程の受験もあるので、絵馬に合格祈願し、つるしてきた。
一晩過ごして下山。板橋まで戻り回転すしで昼食。自宅で仮眠してようやく起き上がってきた。今年は学業が本格化する年となるだろう。しかも巳年で年男である。暦が四回まわった。人生の半ばという感じがする。折り返しではなく、第二のスタートである。
テキストと言っても教科書ではない。先月半ばに池袋で行われたイベントの速記録の作成である。猛烈に忙しい毎日だったので先延ばしにしていたが、大学の授業もすべて終わったので着手した。七人分のスピーカーを口述筆記した記録が残っている。これをテキスト化。単語のメモをつなぐ。妻にも手伝ってもらい、まるまる二日かけてなんとか完了。胸のつかえがおりた感じである。
仲間と棚卸しや埋め合わせの検討。一日かけて話し合う。個別の案件なので、個別に話をするところがいい。時間をかけて仲間に奉仕するのは気分のいいものである。少しは自分も役に立っているのかもしれないと思う。年末押し詰まって公共施設を借りられないので、大学の一室を借りてやらせていただいた。
冬季集中科目(農学部)の履修。この12月最終週(26~28日)で計12コマの連続授業を受け、試験を受けるというハードスケジュール。東大農学部は今回入学を検討していたこともあり、内容はとても興味深く楽しい。工学と並んで実学という感じがする。
生物多様性や生態系の保存は、この現代では国家プロジェクトにさえなっている。絶滅危惧種の保護が優先されている。人間にとって利益になるからということだけではなく、いろいろな要素があり、議論が尽きないところであるが、個体数が一定の水準を切ってからの保護と再生は難しいようである。地球の環境は人間の都合だけではそう簡単に変えられないようだ。
クリスマスイブでもあるし、レンタカーを借りて川越のまちに出かける。浮間舟渡を出発し、新大宮バイパスから国道16号、小仙波から川越の市内に入る。博物館、美術館、本丸御殿と回る。寒風吹きすさぶまち。寒かった。火の見櫓になっている鐘楼も見る。菓子屋横丁で食べたぜんざいがおいしかった。
荻窪地域センターの料理室を借りて、みんなで材料を持ち寄り料理を作る会。といっても、自分はにんにくを油につけるくらいしかやれることはなかったが。
あさりのパエリア、ローストチキン、手製スペアリブ、マグロオーブン焼きなどなど。あとはムースババロアもデザートとして出る。食べる時間がメインであった。
ロウソクをともして夜のミーティング。一年を振り返って、話をする。今年はつつがなく、平和に終わりそう。
年内の地球惑星環境学の実習がこの21日をもって終了した。論文をたくさん読んで、地震を発生させる応力やひずみの理屈を学んでいる。六月に城ケ島で取得してきたデータの分析だけでも結構な分量。年が明けたらまた再開である。
石原都知事の辞任に伴う東京都知事選挙。事前下馬評通り、猪瀬直樹氏が当選した。昔から立候補し続けてきたドクター中松氏に当選してほしかった気持ちもある。都知事選はいつも泡沫と言われる立候補者が乱立するが、今回はそれほどでもなかった。
そして衆議院総選挙。自由民主党の単独圧勝となった。自民党の支持が増えたというより、民主党に失望した人たちが増えたのだと受け止めている。
ぼくはどちらの選挙も、原子力発電反対派には入れたくなかった。これだけ技術や予算を投入した発電所を全部止めるのはあまりに情緒的にすぎないかと思う。いまも避難の憂き目にあっている人たちを国が早急に手当てして、理性的に原子力発電の再稼働が実現できる日を望んでいる。いまは自民党に期待するしかないだろう。