研究室セミナーでときどき学術論文の輪講の順番がめぐってくる。過去の先行研究を何か選び、10名ほどの研究室の大学院生の皆さんに紹介するということだ。要するに内容をレビューして、自分なりのまとめを提示し、意見をいうというミッションである。
紹介する論文は当然のことながら英文である。翻訳するだけでも結構大変なのに、内容を把握しておかなくてはならない。あまりいい加減に済ますこともできず、結局全訳することとなる。しかし紹介発表のときに全訳を読んでいてはいくら時間がかかるかわからない。全訳を把握した上で要点だけスマートに話し、図を示して解釈し、最後にまとめるという手順である。
前回はアメリカの断層の話、今回は島弧の火山フロントの地形発達の話をレビューした。準備に膨大な時間がかかる。それがひょっとしたらこの講座の狙いなのかもしれない。研究には大量の時間と労力がかかるのである。