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1998-10-22(Thu) ついに導入! Intel純正PentiumII [長年日記]

_ 前ふり

 今年1998年になってから、あまりハードウェアに投資をしない日々が続きました。そこそこ動いていたK6-233と安くなった外部メモリのおかげで、Socket7マシンで十分なパフォーマンスが得られていたためです。Windows95→Windows98のOSバージョンアップはさほどエンドユーザーにインパクトを与えませんでした。非PnPのISAデバイスは相変わらずの扱いでしたし、PCIはPCIで勝手に動くというのが最近の流れであるためです。さまざまな憶測をよそに、マイクロソフト社はWindows98日本語版をIE4.0を内包した形で強行販売しました。ユーザーとしてはただでブラウザが手に入るので悪い気はしなかったものの、IE4.0をアンインストールできないというジレンマに陥れられたのです。高いハードウェアスペックを要求されるOSになってはいくものの、それと同じくらいのスピードでハードウェアも値崩れしていきます。CPUもメモリも安くなった今となっては、Pentium166以上・メモリ32MB以上……なんていうふざけたソフトが登場しても、みんな当たり前のように受け入れるようになりましたね。いや、あなたは受け入れないって?買ったパソコンを減価償却できないうちにどんどん新製品が出てくるのは、みんな閉口気味だと思います。しかし、自作ユーザーにとってはそのようなパーツの値下がり傾向は、願ってもない流れなのです。

 わたしがシステムをなかなか換装しようとしなかったのは、理由は簡単です。Socket7用CPUがもう頭打ちになっていたことと「PentiumIIが高価」だということでした。Socket7で最速最後といわれたK6-233に手を出してしまったわたしでしたが、その後ベースクロックや倍率をややこしく上げた300MHz台のSocket7用CPUが続々出るにつけ、「もう別にいいや」っていう空気がわたしを支配していました。430TX前後のチップセットでは外部クロック66MHzが天井だったからです。オンボードIOや拡張ボードがついてこなくなるかもしれない危険を冒してまでSocket7で100MHzを実現しなくてはならない理由は見あたらなかったのです。(430FXあたりのチップセットでは外部66MHzにしただけで、E-IDEやシリアルがついてこれなくなっていたことをも経験済みだった)。

 PentiumIIは233MHz版をスタートとして、次々に高クロック版が発表されていきました。現在も最速クロックのものは新しく出ています。あっという間に400MHzを越えてしまったので、そのうち500MHz版とかも店頭に出るようになるのかもしれません。UNIXやNTで使うためのDEC-Alphaマシンだけの周波数だと思われていた400MHz~500MHzが、そこらへんのPCショップで手に入るようになったのは驚きです。それにしてもPentiumIIの値段は下がりませんねぇ。十万近くでもお金を出してしまう人たちも世の中にたくさんいるようですが、わたしはCPUには二万円を割ってから手を出すようにしています。待てば必ず二万円を割る日が来るからです。一万円近くまで下がると市場から姿を消すようになるということも何となくわかってきました。しかし、PentiumIIに限ってそれは通用しないようです。最初に出た233MHz版は二万円を割らないうちに徐々に姿を消しています。この分だと266MHz版も300MHz版もそういう流れで消えていくのかもしれませんね。Intelは386系CPUの世界ではトップブランドですから、やむを得ないのかもしれません。

 ここで市場を騒がせ始めたのが同じIntelから廉価版CPUとして発表された「Celeron」(セレロン)です。雑誌などでも紹介記事がよく載っているので、PCおたくでなくてもご存じのかたは多いことでしょう。コア部分はPentiumIIと同じものを使っているらしいのですが、二次キャッシュなどのチップをはずせるだけはずして低価格を実現しているものです。値段も一万円台前半とお手頃ですし、二割から三割程度のオーバークロックは楽勝のようです。SLOT1の全てのマザーボードで動く保証はないみたいですが、Webでたくさんの動作報告例が公開されています。いろいろと体験談を読んでいるうちに、おたくの血が騒ぎ始めました。 PentiunII266MHz版を中古で購入 (\17,800-.)

 一万円台のCeleronと三万円台のPentiumIIではどう見たってCeleronを選びたくなるのが節約家の人情というものです。しかし、セカンドキャッシュ512KBの有無が与えるパフォーマンスの差は圧倒的でしょう。あとで拡張したくともSLOT1のボードにはL2の拡張モジュールを追加することなどできません。値段とパフォーマンスのジレンマに悩むわたしは、ある秋の夕暮れの日にマックスロードの3Fで中古のPentiumIIを発見したのです。266MHz版で価格は\17,800-。同クロックのCeleronと数千円しか差がありません。これはどう見ても「買い」です。しかし発見日たまたま手元に現金がありませんでした。翌日タイムカードを押してから秋葉へ一直線(笑)。AMD-K6 233MHz以来のCPU購入です。Intel純正CPUの購入としては、ノーマルPentium-120MHz版以来ですから二年ぶりくらいとなりました。  さて、マザーボードです。PentiumIIなら話は簡単で、ほとんどのマザーで大丈夫でしょう。440LXでもBXでも動作するはずです。ただ今回はCeleronを前提に情報集めをしていましたので、クロックアップに強い・つまりベースクロックの変更が簡単で扱いやすいものを選ぶことにしました。GIGAとASUSはメジャーすぎる上にリミッター破りには改造が必要という情報を得ていましたので、今回は他のメーカーから……ということでずばりA-openかABITに標的を絞っていました。ジャンパレスと稀少さに惹かれ、ABITのBX6に決めてみました。

 現在使っているメインマシンの骨格はここで決まりました。440BX+PentiumII266です。メモリは最初古い32MBのSDRAMを使っていましたが、これだと全然ベースクロックを上げられないことに気がついたので、PC World EXPOのときにTWO TOPの出展ブースで買った\9,800-のPC100対応64MBメモリに換装しました。現在の運転クロックはベース75MHz×4倍=300MHzで安定動作しています。DOS版のDOOMをはじめ Win98, WinNT, Linux で安定動作しています。DOOMはOSじゃないっつーの^^;。100MHz×3倍=300MHzでも動作しますが、ときどきWindows98で「不正な処理……」でうぉんうぉんうぉんになってしまうのが嫌で、無理しないようにしています。ちなみにWin98のシステムエラーのデフォルトのあの「うぉんうぉんうぉん」の音って嫌ですねー(笑)。華麗にカスタマイズしてあるタスクバーがのっぺらぼうになってしまうとやる気を失ってしまって、カードキャプターさくらでも見て寝よう……という気分になってしまいます^^;。 久々復活! kiyochanのマシン自慢 のコーナー

 アーキテクチャーの骨格が決まりましたので、総力を結集してABIT製のこのボードに拡張ボードを次々に接続していきます。まずはビデオカードだけでBIOSは立ち上がるので、シンプルにそれだけでもよいのですが、BIOSだけ見て喜んでいるのも変なので、いちおうHDDやLANをはじめとする最低構成をつないでいきました。シリアルポートにAtermIT55-DSUをつないだところで、ほぼメインマシンとしての機能は揃いました。  構成は次の表の通りです。

デバイス メーカー・型番 備考

マザーボード ABIT BX6 (440BX) Aword BIOS base100MHz対応

CPU Intel MMX PentiumII266 75x4=300動作 L2cache512KB

外部メモリ Alps SDRAM 64MBx1 PC100対応

ビデオカード 3Dlabs Permedia2 AGP版 SGRAM 8MB

HDD JTS E-IDE 4.3GB Ultra DMA-33

NIC Winbond W89C940 PCI

TA NEC AtermIT55 DSU MP128対応

SCSI Buslogic KT545C Legacy ISA

SOUND S3 Sonic Wavetable搭載 PCI

CD-ROM CyberDrive SCSI 12倍速

Floppy Mitsumi 2Mode ---

MO Fujitsu 230/128対応 SCSI-2

CRT SONY CPD-17MS TVチューナー・Video端子付

 以上のような構成です。基本コンセプトは安く・速く・快適に……です。常用メインOSはWindowsNT workstationです。バージョン4.0日本語版ですが、96年の発売なのでもう二年近くたってしまいました。バンドルソフトの「売り」がInternet Explorer 3.0ですので、ちょっと古さを感じてしまいますね。Windows98のシェルに慣れてしまってからは、タスクバーにショートカット登録ができないのがなんとも不便で仕方ありません。やむをえずWindows3.1の頃に使っていたようなデスクトップランチャーをインストールして使っています。

 セカンドOSとしては今のところ買ったばかりのTurboLinuxの2.0を入れています。二度目のインストールになりますが、一度もインターネット接続に成功したことがなくて、それだけが難点です。ダイアルはしているようなのですがユーザー認証に失敗するのかPPPが確立できないようです。PPPができないOSなんて使い道ありませんね。1.0や1.4では難なく設定することができたというのに不思議です。旧バージョンではアイコンクリックでの接続はできても切断ができない^^;という重大な問題がありました。自分のマシンだけでのローカルな問題だと捉えていたのですが、最近販売元のパシフィックハイテックさんがその事実をWeb上で認めていたのを読みましたので、ほっとしたところです。自分のところのソフトの不具合を素直に認めて発表する態度は、非常に好感が持てます。こういう誠実な対応には信頼関係が生まれると思います。話は飛びましたが、PPPが動かないOSはほんとうに不便で仕方がないというのが、Internet漬けになってしまっているわたしの実感です。手動で/etc/ppp/ppp-on-dialerや/usr/sbin/ppp-onを、RedHatでうまくいったときみたいにエディタ使って何度も設定し直してみました。しかし結果は同じなのです。もちろんroute del defaultもやったし、Xの起動してないコンソールでもチャレンジしましたが、それでも解決しないので最近諦念モードです^^;。そのうちS.u.S.E.LinuxかFreeBSD 3.0(リリースされたばかり)にパーテーションを書き換えるかもしれません。明日にでもやるかもしれませんね。

 サードOSとして使っているのはWindows98です。これがHDDからなくなればどれだけすっきりすることか…とは思うのですが、DOS版DOOMを動かすにはこれが一番安定していますし、なんといっても「NTで動かないWindowsソフト」がまだまだあるのも事実です。職業柄、いろんな人たちからWindows98に特有の問題の質問も受けますし、わたしのHDDからWindowsがなくなってしまうことはないでしょう。  ざっとハードウェアだけ見ると、いまどきのパソコンのレベルに追いついているような気がします。いちおう300MHzの大台に乗ってますから。所有HDD中の唯一のUltra DMA-33対応だし、ビデオカードも唯一のAGP版です。まさに総力を結集したマシンですが、いまだ筐体に収まっていないのが見た目を悪くしています。わたしは自宅でコンピュータを組むとき、マザーボードを購入してから最初の何ヶ月間かは、この「筐体なしスタイル」で実験を繰り返すのが常になっています。埃や電源周りのセキュリティがちょっと危なくなってきたなぁと感じたところで、筐体に収めることにしています。実際ビデオチップやCPU周辺の放熱も良いし、ボードやメモリの換装のたびに面倒な作業を強いられるよりは、安定してから固定したほうが良いような気がするのです。

 初めてSLOT1システムを導入したわけですが、驚くぐらい速くなったというような実感はありません。これまでの最速システムがAMDのK6-233だったのでクロック自体は三割増くらいですから、やむをえないのかもしれませんね。ベンチマークで見る限りではWindowsNTがいちばんよい記録を出しています。しかしNT自体がかなり重いOSであるため、相対的なOSの起動速度は大して変わらないようです。Windows3.1とか入れたら飛ぶように動いたりして……。これからもWindowsは使い続けていくとは思いますが、LinuxなどのPC-UNIXもわたしの中では実用一歩手前まで行っていますので、今後の自分の努力次第という感じがします。IEもこれはこれでよいのですが豪華な機能が付加されれば付加されるほど離れていきたい気持ちになるのは、きっとわたしだけではないでしょう。XでNetscapeが簡単に動かせるようになってきたこの一年あまりで、状況はかなり変わってきたと思います。

 ハードウェアは適宜入れ替えながらこれからもやっていくと思います。今回のPentiumII導入の際はほとんどのこれまでの資産が使えました。取り替えたのはCPUクーラーやPC100対応のメモリくらいです。さすがはAT互換機といわれるゆえんですね。しかし、いま自宅にプリンタがないとか、問題もあります。コストと機能の狭間の中で、これからも拡張や交換を繰り返していくことでしょう。


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