シルクのネクタイをざぶざぶと洗濯機で洗っているうちに型崩れし、一本、また一本と、だめにしていった。残るネクタイがたった一本。そして弔事用の黒が一本。計二本。これではあまりに心もとないので、買いに行くことに。
滅多に衣服の買い物になど出かけないので、完全にシロート買い物状態。前に仲間に連れて行ってもらった新宿のユニクロに行くも、ネクタイの販売はなし。デパートにも行ってみたが、太い普通のサイズのばっかしだ。わたしはスリムタイプが欲しいのに。
やむなく丸井のブランド館に入ってみる。無機的な一段高い売り場。客がいないよ。店員が声かけてくる。こわー。スリムネクタイたくさんあったけど、値札が見えないようにみんな隠されてる。いくらなのかまったく見当がつかない。うーん。これじゃ店員に捕まったら最後…。あ、チラッと値札の見えたのがあった。\15,…。\15,…??。千五百円っつーことはないよね。そんなのならドンキホーテにだってあるよ。ネクタイ一本一万五千円でつか。あーこわ。その金あったら福岡行けちゃうよ…。
無印良品の店にも入ってみた。ここだと全部値札がはっきり出ていた。あーほっとした。
_| ̄|○ これが普通だよね。でもここのはスリムは2,600円。ちょっと高い。
結局新宿で買うのは諦めて、東中野のスーパーの二階で購入。1,980円でした。ややスリム。
ポロシャツとかベルトとかを何万円も出して買う人たちって、いったいどうなってるんだろうか。価値観の違いと言ってしまえばそれまでだが、わたしには理解できん。
秋津の会場で「伝統」のスピーカーを頼まれ、話をしにいった。一ヶ月以上前からぼくが話をする旨のチラシまでできており、先月は先行く仲間が先鞭をつけてくれていたようで、少しプレッシャーもあったが、無事実行できた。
伝統の何番目という特定がなく、全体的にということだったので、自分のサービス経験をそのまま話した。打ち合わせどおり50分程度。これはなかなかのロングタイムだ。全国のフォーラムや、セミナーのラスト近くのコマでもせいぜい30分である。すこし声も嗄れ気味に終わったが、話題に困ったりすることもなくさらさらと話ができてよかった。そもそも毎日のように一時間半の授業を行なっているのだから、長い分には二時間くらいなら難なく話せるのかもしれない。
サービスや役割の話になるとどうしても先行く仲間にされた「仕打ち」や、誤ったのべ伝えに抗して、正当性を打ち出すスピーカーになりがちである。恨みが消えずに残っているとそうもなろう。実際そういう話をしてしまったときもたびたびであった。しかし最近他の仲間が自分のプログラムの正当性をがなり立てている醜い姿をたびたび見るにつけ、それは見苦しいことなのだと気がついてきた。人を批判して落とすことでは、自分の正当性は少しも浮上しない。それどころか批判すればするほどその人の品性も落ちるのである。今回のスピーカーは、そういったことにも気をつけながら、仲間に支えてもらってきたことに意識を集中した。そうするとかなり気持ちよく展開できる。実際口に出して感謝の念を話していくと、助けてもらっていたことがよくわかるのだ。これがやはりプログラムなのである。
聞いている人たちの層が、ソーバー数ヶ月の人もかなり見受けられたので、全体サービスの話まではあまり立ち入らず、グループの役割とせいぜい地域委員会のラウンドアップ担当だったときのことくらいまでにしたのも、よかったのかもしれない。設定してくれた仲間に感謝の念である。
TOEIC(トーイック)という英語の実力を測るテストがある。本日受験した。IPというのは、本試験(公開テスト)ではなく、その練習といったような位置づけで、過去に出た問題を出し、公式スコアにできないが受験料が安いいわば模擬試験である。
リスニングが100問、リーディングが100問、計二時間でテストがある。感触は……惨敗だ。リスニングは、アメリカ人にまくし立てられて何がなんだかわからない上に、さらに質問されているような気分になる連続だった。リーディングはおちおち考えている暇もない。斜め読みでざっと概観を把握し、質問に答えていくというものである。かなり大急ぎで解いていったが、全部の質問に答えられなくて制限時間が来てしまった。およそ1000点満点だが、どんな点数が返ってくるかと思うと恐ろしい。
英語教育は、中学3、高校3、予備校1、大学3と、計10年間受けている計算になるのだが、会話力、聞き取り力がまったく育っていないのを感じる。一からやり直しだね。
いきなりTOEICはハードルが高かった。英検四級くらいから始めた方がよいかもしれない。コマの進め方がやっとわかった将棋指しが、いきなり十段戦に出場したようなものだったかも。
イベントに参加。小学生か中学生の頃、母と一緒に日帰りで平和公園に行った記憶がある。今回は仲間と同行。グラバー邸、出島、オランダ坂、唐人屋敷跡、思案橋、丸山花月(玄関まで)、中華街(江山楼)、街なか龍馬館、平和公園などに観光巡回。坂の多い街であった。城山教会にも前日に行く。路面電車乗りまくり。となりの電停まですぐである。実家のある北九州にも昭和60年ごろまでは路面電車が網羅されていたが、みな廃止されてしまった。長崎は残っている。ちょっとうれしい。
JOY SOUNDのカラオケで「長崎は今日も雨だった」で出てくるイメージビデオのロケ地どおりである。……発祥の地、という説明が多かった。日本の西の玄関口だからね。あと坂本龍馬の由緒が多数。またいつかゆっくり立ち寄りたいところである。
十月一日から四年冬学期の授業が始まる。新学期直前にシラバス(最近はほとんどWebの電子データ)を閲覧しながら、新学期の授業時間割を考える時間がもっとも楽しい季節である。四年の冬は学部の最後の学期であるから、必修の卒業研究以外はほとんど縛りがない。自分は学士編入だったので、三年冬に二年次の必修科目を履修した関係で、三年冬の選択必修科目をまだ取れていない。それを少し取れば全体の単位数はほとんど足りているので、好きな科目を自由に組み合わせてよい。他学部や駒場の科目もどしどし受講してみる予定である。今回は考古学や環境化学の実習、そして河川工学や農村計画学や地域人文地理もカバーしようと思う。毎度のことだが欲張りすぎると本来集中するべき自分の専門分野の勉強にエネルギーが注げなくなるので、少し抑制もしなければならないと考えている。
お彼岸も終わりすっかり涼しくなった。大学院入試のための努力と研鑽に明け暮れた夏が終わる。ありがたいことにぼくの今回の大学院入試は東大内部生の有利さをフルに生かすことができたと思う。ふだん授業や実習で教えてもらっている先生がたが問題を作り採点をするのだから、ふだん教えてもらっている通りのことをきちんと復習して対策すればよかったのだから。予想外の角度の問題も多かったが、丁寧に取り組んでさらに「気合」で突破できたと思う。英語のTOEFL ITPはたしかに辛かったが、何回も何回も模擬試験を受け、対策問題集をひたすら解き続け、外部の有料TOEFL講座にも休日を返上してかよった甲斐があったというものだ。
秋からはまたフィールドに出たり地味な実習作業を続けたり、自分の願っている勉強ができる。授業にどっぷり浸れるのも学部生のうちである。自分の置かれている状況にいくら感謝しても感謝しきれない。