_ 最近演歌が楽しい。熱川温泉にみんなで遊びに行ったときに、渋いおじさんが「奥飛騨慕情」を歌い上げていて、しびれてしまった。なんというか、典型的な演歌のメロディで名曲だよ、あれは。昭和歌唱には数々の名曲があるが、最近聞いてやはりすごいと思うのは「さざんかの宿」「無法松の一生」などである。「無法松…」は地元小倉の歌なのですらすら歌える、と思いきや、度胸千両入りに入ってしまうと結構難しいし、変拍子かね、これは、みたいな進行が演歌には時々ある。唐獅子牡丹のラストも変拍子だし。演歌はなんだか若い間は区別もつかなかったしまどろっこしいだけの予定調和音楽群だったのが、最近では感性が変化してきたのか、ゆったりとその味を噛みしめる感じである。数年前にカラオケで何度も練習して、坂本冬美の「能登はいらんかいね」が完璧に歌えるようになったのは進歩だった。冬の温泉の雪積もる露天風呂でぜひ一曲「奥飛騨慕情」を歌いたいものだ。