井の頭線駒場東大前はぼくの大学生活の始まった昭和60年を非常に強く思い出すロケーションだ。教養学部があり、一、二年生が集まる若さ溢れるキャンパスである。ここで2年間一般教養を学んでから本郷の専門へ進む。
教養学部物理教室の授業を聴講することにした。そのものずばり「放射線科学」である。自分の専門をここで最初から学ぶのは非常に意義があると思う。放送大学でやっておきたかったところだったが、もう東大に戻ってしまったのだから、東大の中で一番基礎となる場所で聞けばよいことである。
鳥居先生について学ぶことになった。単位の話やマスコミ報道の件から入る。累積の当量と一時間あたりの微分的当量を報道が混同しているという話。定番のベクレルやシーベルトの話。蛍のたとえなど。まずはやはり放射線と放射能(放射性物質の能力)の話からである。
周りをざっと見るとおそらくほとんどが10代の学生さんたちである。こちらは今日いろんなクラスから集まっていると見えてとても静かだった。ほとんどが理科一類のみなさん。先生も理科一類出身で理学部ドクター卒のよう。ぼくは先生より四年前に理科一類に入っていることが判明。でも専門分野から離れていた時期がぼくは長かったことを考えると、頭を低くして謙虚に学ぼうと思います。モルやアボガドロ数、やはり計算で出てきた。一般教養を学びなおして損はない。
授業が終わって駒場東大前に向かうと、同じように5限目が終わった学生が一斉に駅に押し寄せている。朝ラッシュ並みの激混み井の頭線に渋谷まで乗車。懐かし過ぎるこの感じ。下北沢で麻雀というパターンも多かったが、今はぼくは行くところがあるのでそうはならないが。楽しい学生生活。