アメリカ往復の長い長いコンチネンタル航空渡航中に見た映画。飲んだくれの弟ときちんとした姉。そしてその周りの人間関係を描いている。周りに迷惑をかけ何一つ成し遂げられず、最後にはグループホームで助けられ、病気で死んで行く弟の姿は、ひょっとしたらわれわれの末路だったのかもしれない。このブログのタイトルにもしている「奇跡」が起きなければ、末路は悲惨だったということだ。今は自分のことがよくわかる。しかし、あのらせん階段を下りていたころにはそれがわからなかったのだ。
その弟の役を笑福亭鶴瓶が好演している。姪の結婚式を酔っ払ってめちゃめちゃにしたり、借金をして汚い字で借用書を書いていたり、毒舌吐きながら姉のもとを去って行く姿など、思い当たることが多い。
姉の役は吉永小百合。気丈なこの役は彼女にしか演じられないかもしれないという感じがした。姪は蒼井優。黒髪がかわいい。蒼井優の視線でこの物語が構成されていく。エリートの夫との離婚。そして大工との再婚。心のつながりというものを考えさせられる。
国際線の中でのフィルムだったからか、映像にはずっと英語で字幕が流れていた。鶴瓶の大阪弁が軽快に英訳されているのがよかった。
仲間には是非見て欲しい作品である。