三月に手付けをしていた中古マンション購入の決済を行なった。現金で残金をすべて支払うのである。三菱東京UFJ銀行で、通帳で引き出しを行ない、封筒に詰めてもらった。ATMでは限度額があって一日で下ろせないのである。締め帯で巻いてある百万円の札束をいくつか受け取る。これはみんな自分のお金なのだ。
不動産屋立会いのもと、マンションの売主に支払った。まさかここで何百枚を手で数えるのかと興味津々で見ていたのだが、不動産屋には「札束自動読み取り機」があって、すぱぱぱぱっ……と機械で何枚あるか数えられるのであった。いやー、貧乏人のわたしは世間知らずだった。売主氏は領収書をぼくに渡して、現金を受け取り、街中に消えていった。マフィアはあとをつけていかないのだろうか。三菱銀行から不動産屋までのほんの百メートルでさえ、ぼくはかなりの緊張で歩いてきたというのに。
株や為替ですったときでさえ、一日の金の動きは多い日でも50〜60万だったからなあ。一気にこんなに高い買い物をしたのは生まれてはじめてである。仲間の共同体でのラウンドアップ決済を委員として行なったときでも、動かした現金は200万円程度だったから、きょうの現金取り扱いは記憶に残るであろう。