_ 小中学校がこれから夏休みに入る。ぼくの最近は毎日夏休みである。退職してからの五年間は自分自身が学生だったし、退職前の数年も教えている学生がどんどん減って出勤日数もどんどん減っていたので、いつから労働日数が漸減していったのかよくわからない。それにしても45歳での早期退職は、ちょっと早期過ぎた気もする。自分で飛び出したわけではなく、状況的にそうなっていったのでコントロールの及ぶところではなかったのだが。
とにかくけっこう自由に生活している。生活の中心はお寺へのお聴聞とお参り、そして夜のミーティング。会社だけの生活から離脱した人だとこうはいかなかったのではないかと思う。自分には同病の仲間がたくさんいるし、その気になれば役割は山ほど見つかる。70代、80代でも元気に活動している人がたくさんいる組織はすごい。お寺に行くと人生の大先輩がぞろぞろいる。50になったばかりの自分が末っ子の犬のしっぽのようである。
時間があるとあくせくしないで済む。生きることに余裕が出てくるのがうれしい。時間に追われると心が亡びるという。忙殺という字がある通りである。20分、30分余裕をみて動く。ほとんど都営バスの定期券で移動するので、バスの始発から終点まで40分くらい乗っていることが多い。街角を歩く犬や人を窓から眺める。バスの中にはお年寄りがたくさん乗ってくる。年上の方が乗ってくると席を譲る様子がみられ、さらに年上の人が乗ってきてその人がさらに席を譲り、さらにヨレヨレのかたが乗ってきてさらに席が譲られ…というような光景をよく見かける。日本の社会も捨てたものではないと思う。
やっと一つアルバイトの面接までたどりついた。ひょっとしたら決まるかもしれない。なかなか仕事に就けないという仲間の話をよく聞いていて、ひとごとのように思っていたが、実際そのようである。四月から何十と履歴書を出し続けてきたが、なかなか引っかからない。したがって夏休みが続く。
青春18きっぷが発売されて、乗れる時期が来てしまった。結婚以来この切符を使っていなかったが、今年は関西や福岡にたびたび行く用事があるので、何年かぶりのムーンナイトながらとかに乗る予定。24時間あれば東京から福岡まで、各駅停車や快速だけで行けるのだ。こういうチャンスを楽しみながら過ごそう。