ふたたび北九州へ。マイレージを使い切って往復。父の意識は戻らないままだが、脳にたまった血塊を抜く手術と気管切開は成功したようだった。話しかけるとまぶたが少し動く。ちらと目が開くときもあるがまたすぐに閉じる。気管を切開しているので声も出ないわけだが、意識のあるなしも確認できない。
元気なうちに親孝行しておけばよかったと後悔している。もっとできたのにと思うが、時計の針は戻らない。かといって実家やその周辺に帰って、新しい生活をできるか(できたか)というと、できもしない。小倉で研究生活はおそらくできないと思う。現実は厳しい。
息が荒かった状態からは抜け出して、肺炎も治癒して熱が下がったようである。倒れてから一ヶ月経った父の意識は、いったいどの方向に向かうのか。
病院から実家に戻ると、まだどうにか歩ける程度の母がいる。母にもできるだけのことをしておきたい。
いったん東京に戻って研究に戻ったが、また小倉に行かなくてはと思う。