結論から言うと、今年も無税の人となった。わずかなアルバイト収入と不動産収入があるが、経費を引いて控除を引くと所得は春の雪のようにきれいに消える。控除のほうが圧倒的に多いので、むしろ「逆税」(ぼくの造語)にして、赤字額の10%を支給してもらいたいくらいである。アルバイトで引かれていた源泉徴収額27円が何か月かしたら振り込まれるであろう。国税庁が負担する振込手数料のほうが高いぞ。
退職して収入が激減しても、なぜかこの確定申告は楽しい。棚卸の満足感なのだろう。着々と消えていく建物の減価償却、経費の領収書を集めて仕分けする作業、寄付や保険料が控除として発揮されるその威力、これらはまるで経済学の演習だ。出入りの金額が何ケタも大きければ当然税務署も厳しくチェックにかかるだろうが、数十万~数百万程度の収支なら気楽なものだ。一日がかりで労力は必要だが楽しい作業である。