浅野忠信がアルコール依存症の元カメラマンの役を演ずる。原作は漫画家の西原理恵子氏の夫の手記のようだ。酒に溺れ、体を壊し、アルコール病棟に入院し、断酒を始める…といったストーリー。普通は愛想をつかされるところが、この話では離婚した妻と子供たちが本人を慕うという設定である。主観が入ってるのかなあ。現実は、こう美しくはまとまらないぞ。やめて10年くらい経つと別かもしれないが。
アルコール病棟の中の、アル中どうしのすったもんだの騒動の描写が秀逸である。ぼくは入院経験はないが、仲間と仲間の心の動きが手に取るようにわかる。
エンディングテーマは故・忌野清志郎の「誇り高く生きよう」が使われている。清志郎が喉頭がんで治療を開始し、声質が変わってしまっていた頃のアルバム「夢助」の中の一曲である。人生と家族、命について考えさせられる映画だった。