しつこく続ける。
ちなみに、昨夜のタイトル「選択本願念仏集」は、法然上人のほうの著書であるので、念のため。
親鸞聖人のほうの思想は「善人なほもて往生を遂ぐ。いはんや悪人をや」というのが有名だね。悪人正機説である。しかしながらこれは悪事を勧める造悪論ではない。善人は、善行をしようという計らいがあるから、自力の高慢に陥りやすいということである。たいてい善いことをしているときというのは、調子に乗りやすい。それどころか、善いことをしていない人を裁いたり、善いことをするように命令したりする始末。それがおかしいと親鸞聖人は申されていたようだ。
われわれの為そうとする善悪など、地上の芥子粒のような範囲の、ちっぽけな善悪である。それに比べると「阿弥陀仏の本願」は大きな慈悲である。阿弥陀仏は、われわれ人間が考えることすらできないほど、大きなふところをもった、一切衆生を救ってくれる存在である。
3月に、父親と京都の(西)本願寺に行くことになった。今から少し楽しみなのである。