三年冬学期(後期)の授業が始まった。ぼくは三年次から学士入学したので、二年の後期の必修科目をこれからさかのぼって取らなくてはならない。その一方で三年次の科目が免除されるわけではない。どうするかというと、まずは必修科目で時間割を埋めて、あいた時間に本来今学期取るべき三年次の科目を配置する。配置できなかった三年次科目はまた来年四年になってから取る。そして四年のときの配当科目はどうするんだろうか…という流れである。みんなが二年半かけて履修するカリキュラムを二年ジャストで網羅するのだからちょっと大変かも。しかしこの半年で学んできた科目の前段階の基礎講座を、これから受けるのだから、たぶん半年間すっきりしなかったことが次々に氷解していくのではないかという期待感がある。講義の中で既知の前提とされていることをまだ学んでいなかったわけだから、すっきりしないままどんどん進んでいくのは当然だったといえるし、それが今学期解決するのだから楽しみである。
しかも二年次の配当科目はすべて駒場キャンパスで行われるのだ。駒場はぼくの東京生活のスタートとなった場所であり、いろんな意味で郷愁や思い出にあふれている。理科一類に入学して初めてドイツ語を学び、難解な大学数学(とくに解析の証明問題など)に出会い、その一方でバンドや酒やマージャンに明け暮れていたあの頃である。いまはバンドも酒もマージャンもないので、駒場東大前はまさに学府にほかならないし、快適な学問の場所である。専念できることだろう。
基礎の必修科目を教えていただく地球惑星環境学科の先生方のほとんどから、この三年次の前期にすでに教えをいただいている。そのあたりも安心感があると言える。この先生から詳しくきちんと学びたいと思えるような、尊敬の対象ばかりである。
駒場と本郷を短い空き時間を縫って行き来しながら受講することになるのがすこししんどいかもしれないが、それもまた楽しい小旅行気分が味わえることだろう。