というわけでいよいよ当日がやってきた。こんな地味なイベントを楽しみにするとは、自分もずいぶん変わったものだ。何か激しい興奮があるわけではないよ。お寺に行くと三々五々参拝者がいて、読経があり、おかみそり(帰敬式・門徒になる儀式)する人がいて、ちょっとした雅楽演奏があるくらいなのだ。
ほとんどの来場者は両親くらいの人たち。おそらくざっと見て昭和一桁か大正生まれの人と思われる。その中に自分みたいなのがちょっとはいて、一緒に親鸞聖人の生き方を黙想するのだ。
すこし法話もある。仏教全般では名前を戒名と言うが、浄土真宗では法名という。べつに死んでいなくても名前をいただくことができる。今日の法話では、法名の最初に「釈」という、仏様のお弟子になったという苗字のようなものがつくという話だった。仏様の弟子なので、みな一家兄弟姉妹なのである。祖母は「タマノ」という名前だったが、法名には「釈……玉英信女」というような感じであった。ぼくが法名をもらったらたぶん「釈……泰信士」とかそんな感じになるのだろう。
とても暑く、30度近い気温だった。ひといきついてから隣の築地場外市場へ。ごちゃごちゃした市場の中に初めて入った。海鮮丼や寿司を食べさせる店が多数。マグロ解体ショーなんかもやっている。メジャーそうな「すし一番」に入りランチにぎり(980円)を食べる。五品くらいプラス茶碗蒸し、かに味噌汁、そしてシャーベットつき。最近少し食い過ぎが続いていたので、ちょうど良いくらいだろう。みんな2000円とか1500円とかの三色丼とかを注文している。金持ってるんだなあ……という感想。
本願寺に戻って、礼拝して、すこし献金。夏真っ盛りの国道一号と春日通りをバイクで走らせる。照り返すアスファルト。エンストしそうなボロバイクだが、ゆっくりと板橋まで帰ってくる。ふだんも信仰を大切にしていきたい。