「豊饒の海」四部作のうち第二部を読み進めているのだが、神風連のあたりの作中作を読んでいると、だんだん頭が痛くなってきた。右翼思想の根底の国粋主義が説かれているようなのだが、軽薄な人生を歩んできたぼくとしてはさっぱりわからないのである。左翼思想ならわかるかもしれないのだが、刀に対しての思い入れとか、明治維新での西洋思想の流入に抵抗するとか、やはり物語の中の話でしかない。
三島由紀夫の割腹に必然性があるとしたら、ここを何としても避けずに理解して進まねばならないのである。なんだか苦行になってくるね。輪廻転生のあたりはたしかに興味をそそられるのだが。