仮住まいだった志村の借家を引き払い、墨田区に引っ越した。やっと暖かい部屋の中で過ごせる。と思いきやもう春の足音も近い。三寒四温ではあるが、安定した快適なマンションの生活が始まった。
段ボールの箱詰めから何から何まで、引っ越し業者に全部お任せでやってもらった。まるで法人の引越だ。荷物はたいして多くないが、指示してほったらかしで済む引っ越しである。重いものを運ばなくてよい。埃まみれにならなくてよい。いままでやってきた引越とは全然違う。ひとりだときっと安く済ませるためにそうしていたと思うが、いまはもう自分一人ではない。
引越マニアのように三・四年おきに移り住んできた自分としては、電気もガスも水道も、手続きは手慣れたものである。しかしいつも難航するのがADSL。なんであんなに厄介なのだろう。引っ越した瞬間にインターネットが使えたことなどほとんどない。引っ越し日が何週間も前からわかっているのに、プロバイダが回線業者やNTTとうまく連携を取ってくれない。まだ引っ越してもないのに回線調査してしまうし、そうなれば当然NGである。今回も苛立ちながら、ADSLの開通の様子を見守っていた。それでも五日目には開通したので良しとするか。
東武の沿線でふたたび暮らし始めることとなる。数年前の東上線と、今回は亀戸線。なぜか伊勢崎線が「スカイツリーライン」などと名乗っている。曳舟で乗り換えて東武を乗り継ぎ、あとは都営地下鉄を乗り継いで本郷三丁目まで通う。結婚してから都営地下鉄生活が続いている。猪瀬直樹が知事になったのだから、著書通り都営とメトロを一本化してほしい。そうすれば安く早く大学までたどり着ける。
春休みの時期なので腰を据えてゆっくり引っ越しもできた。不動産取得もそろそろこれで打ち止めだろうか。ここなら来年以降に大学院に進学したとしても、本郷でも柏でも楽に通える。都内の東側エリアは昭和63年~平成2年の文京区在住以来である。荒川や隅田川が氾濫しないことを祈る。平成の時代に洪水は滅多にないか。