今週末は父の日である。昨日伊勢丹で魚の切り身を買い、クール宅急便で送るべく手配した。昨年9月より実家に帰っていない。台湾旅行みたいに、否応なく日程を入れてしまえばそれで行けるんだが、今ひとつ気乗りがしないでいる。
父の老後をそばについて伴走できないのが気がかりでいる。姉に丸投げしてしまっているのが心苦しい。
父の最近の興味は投資信託であろうか。株価の暴落でたぶん痛手をこうむっただろうなあ。欲をかかないで生きていて欲しい。それはぼく自身にも言えることなのだが。
ぼく自身のつつましい財産のポートフォリオを書いて、父に送った。流動資産、年金・共済、不動産など。自分自身も整理できたし、たぶんぼくに対して父が知りたいのはそこだろうと思ってのことである。父の日のプチプレゼントになっただろうか。
昼休み食事に出て戻ってくる途中、やけに明治通りに警官が出ている。私服の人たちも交差点ごとにいる。私服警官は、ネクタイなしのスーツでイヤホンをしていて、スーツの襟元に安全クリップをつけていたりするのですぐわかる。皇室の誰かが通るのだろうと思いつつ、あまり気にも止めずに歩いていた。歩道橋を渡ろうとしたとき、車の流れがぴったり止まった。あれは信号機を操作して、交通量を減らして渋滞しないようにしているみたいである。
歩道橋をのぼろうとするぼくに、私服警官が駆け寄ってきた。「いまから天皇陛下がここを通るので、急いで渡ってください」と。???。よく意味がわからない。急ぐ? そうか、天皇陛下の車が通るのだから、その真上の歩道橋を一般の国民が歩いているのは失礼千判!頭が高い、ということなのだろう。せきたてられて、小走りに歩道橋を渡った。
渡ったところで見ていると、完全に民間車両が入ってこないようコントロールされているがらがらの道路に、白バイに先導された黒塗りの車が入ってきた。先頭の車両はダミーのようで、次の車両が天皇陛下の乗っている車である。後部座席右側に天皇陛下が乗っておられた。歩道橋を渡っていたおかげで、かなりの至近距離から顔を見ることができた。皇居での一般参賀なんかとは比べ物にならないくらい、すぐそばである。
父と確か同じくらいの歳だったよなあ、と思う。最近SPA!で小林よしのりが書いていたように、福祉や社会活動に尽力されているのであろう。あまり気安く近づくべきではないとぼくも思っているが、国家的有名人なので、こうして顔を見られるのはやはりうれしい。