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2000-01-24(Mon) ぶっちぎりBanshee~LinuxでQuake2

_  ビデオカード三昧の原稿を書いたのは、初めて入手したAGPカードのPermedia2のバルク品を買ったばかりの頃だったでしょうか。あるいはその少し前だったかもしれません。Permedia2のビデオメモリの8MBというのは、パラダイムシフトだったかもしれません。なにしろ色数の制限をもう気にしなくていいのですから。これは4MBで1024*768のフルカラー・8MBを超えるともう家庭の17インチディスプレイでは手に余るものになってきます。PCIの2MBのビデオカードはわたしの自作の初期のころの流行だったためか、いまだに何枚もダブついています。定番だったS3のTrio64V、DirectXとの相性出まくりのCL5462、展示会で\1,980-でゲットしたATIのMach64VT。それぞれ癖のあるものばかりでした。

 ともかくその後はビデオメモリの大容量なのは当たり前になってきました。Permedia2の次に買ったのは彼の有名なMatroxのチップの載ったMillenium G200です。MilleniumとMistiqueというと一世を風靡した

金の斧・銀の斧

ですね。流行った当時は一枚三万円近い定価が付いていたと思います。PCの世界にそもそも定価があるのはおかしい…という声も聞こえます。いまでも通なショップではこの初代Milleniumや次の改良版Millenium2を売っているところがあります。どこから流れてきているのかわかりませんが、まだ人気が根強いのは確かなようです。そのあとに出たG200は3D性能もそこそこついたということで、スタンダードな地位を築いたのではないかと思います。わたしが買ったのはG200-LEという廉価版です。G200はメモリチップの種類や容量・オプションの有無でいろんなバージョンがあります。このG200-LEはSDRAMの8MB版で、ビデオキャプチャオプション(Marvelというネーミングでセット販売されている)の端子すらない、一番安いモデルです。秋葉原のOverTopで99年12月現在も販売されつづけていますが、440BX以外のマザーでは動作保証がないという条件が表示されています。Socket7ではどうも動かないらしい…という意味のようです。i740もそういう制限が発覚してから急激に価格が落ちていったのは記憶に新しいところです。このG200-LEはそれほど価格が落ちなかったので、ひょっとしたらApolloとかの互換チップセットでも動くのかもしれませんね(未確認です)。

 発色はよいし安定した作りのこのMillenium G200で別段困る点はありませんでした。ビデオカード選定で一番気がかりになるのは、ドライバです。ふつうのWin95/Win98ユーザーならリファレンスドライバで十分でしょうし、少しくらい不具合があっても今はすぐにWebにアップデートが公開されます。WindowsNTも95と同様のインターフェイスになってから、ドライバの同梱率はほぼ100%に近くなってきました。問題はLinuxやFreeBSDのX windowサポートです。最新のビデオカードはふつうサポートされませんし、たまたまSVGAサーバーで動くとしてもアクセラレータなしではちょっと寂しいものがあります。しかしMilleniumのシリーズは流行したこともあり、いまでは問題なくXが動きます。そういえば話は戻りますがPermedia2は苦労させられました。Permedia2のためにS.u.S.E. Linuxも買いましたし

 …で、とにかく2Dと3Dのそこそこの性能をWindowsで堪能したのち、我が家のメインストリームがLinuxになりました。このあたりのいきさつは前回のときに書いたとおりで、決定的だったのはCannaでの「かな入力」の実現でした。そしてメインOSとしてのLinuxの環境整備に伴って、またぞろ原動力が必要だと感じてきました。何が何でもこのソフト・ハードを動かしたい…という強い願望がなくてはスキルアップは望めないものです。とりあえずわたしが手を出してみたのは秋葉原の外れ・神田川沿いにひっそりと店を構えるCD-ROMショップ「Laser5」で販売されていた「Quake2 with mission pack for Linux」でした。DOOMを超えるゲームにいまだ出会ってないわたしとしては、ここらで一つ打開したいと常々考えていたからです。無印QuakeのDOS版はもちろんすでに買っていました。その後もあの手のアクションゲームとしては「Duke Nukem 3D」「Tomb Raider無印」「Sin」と購入しつづけていたものの、どれもステージ1すらクリアしないまま

CD-ROMの積読状態

になってしまい、それ以上の意欲が湧かないままでした。Linuxになったので転換を図る意味でも、新ゲームの導入は必要に思えたのです。

 CD-ROMを差し込み、マウントして、セットアップスクリプトを動かすと、自動でインストールが進みました。そこまではよかったのですが、空き容量が足りません。ん? なんでだろう。まだ100MBくらい空いていたと思ったけど…みんなハードディスクにコピーしてやろうとすると200MB~300MBくらいは軽く必要なようです。最近のゲームときたらDOSやWinだけでなく、Linuxですら容量大食いなんですね。Winと違ってファイルシステムの一部を別パーテーションにするのはLinuxでは簡単です。ドライブの概念というのがなく、どのツリー以下をこのパーテーションで…という「ほんものの」Directory構造ですね。とりあえずわたしは/usr/local/gamesを別パーテーションにとってみました。そして再びセットアップスクリプトを走らせて、cd /usr/local/games/quake2とやって、./quake2で無事起動しました。DOS版のときに十分遊んでいなかったので、QuakeとQuake2の違いがいまいちわからん。しかしまぁ問題なく動いているし、音も出ています。これってCD-ROMの音楽トラック読んでるので、MIDIでやるときみたいに苦労しなくてすみます。差し替えればほかの音楽でもいけます。宇多田Quakeとか、エヴァQuakeとか…^^;。最終面でベートーベンの第九とかが演奏されるように音楽CD焼いとくといいかも。

 しばらくはそれで遊んでいられたのですが、どうも気になるオプションメニューがあります。英語びっしりの小さなマニュアル冊子にも出てきますが、glideとか3dfxとか…。ビデオカードによってはハードウェアアクセラレーションがかけられるようです。あっ、これはDOS版のTomb Raiderと同じだ、と気がつきました。OpenGLとかを使って美しく速く描画できるというやつですね。よくよく読めない英語を必死で読んでみると、3Dfx社のカード(正確にはチップ)を使えばそれが実現できるようです。Tombのときも確かそうだったと思いましたが、その頃はまだまだVoodooカードがむちゃくちゃ高くて(当時三万円以上だった・嘘みたい…)手を出せる価格ではなかったので、単に諦めたのでした。しかし今(1999/下半期)はどうでしょうか。すでにVoodooシリーズは第三世代の商品「Voodoo3 3000シリーズ」が主流で、初代のVoodoo Graphicや次のVoodoo2(3D専用)・Voodoo Bansheeといったあたりは型落ちで叩き売り状態です(もう中古市場にしかないものも多い)。そこでVoodoo Bansheeを購入することにしました。バルク品がまだいくらか出回っているし、軽く一万円台を切っています。商品としてはMonster Fusionのバルク品を秋葉でゲットしてきました。Win95が出たばかりの頃に買って痛い目に会ったDiamond社の製品ですね。でもチップが3Dfxなのでボードメーカーはどうでもいいと思いました。EDGE 3Dの流れを汲むTNTシリーズにどうも手を出せないのはこの辺のトラウマがいまだに尾を引いているからだと思います。

 買ってきまして、早速AGPポートのG200を外し、Bansheeを取りつけました。Win98/WinNTのドライバは簡単に入りました。そしてまずやってみるのはHDBENCH(もう定番)ですね。ビデオのベンチマークを取ってみて驚きます。G200で驚いたスクロール性能があっけなく打ち破られました。

こんなに速いスクロールははじめて

です。次に驚いたのはDirect3Dです。BansheeのDirect3Dベンチを見て、ああこのテストはこういう動きを目指していたのか…とはじめてわかったような気がします。

 そして次は問題のLinuxです。Vine1.1を使っているのでXのバージョンはXFree86の3.3.3です。G200と同じSVGAサーバーで動くはずなのに、startxと打ってもディスプレイが「プチ」というのみで、コンソールの真っ暗闇に戻ってしまいます。インターネットでXFreeの情報を入手してみたところ、Bansheeが動くのは3.3.4以降ということがわかりました。うーん、惜しい、あと0.0.1くらい負けてくれんのかいな。競売じゃあるまいし負けてはくれません。そこでPermedia2のときにもさんざんやった、X-Serverのバイナリだけダウンロードしてささっと入れ替える、という一番労力の少ない手段に出ました。これで無事bansheeでXが起動するようになりました。気のせいかマウスの動きがやけに滑らかな感じがします。ほんとに気のせいでしょう^^;。ディストリビューションごとの比較記事がよくLinux雑誌に出るようになりましたが、いまのところXFree86のバージョンが3.3.4以上でBansheeがちゃんと動くものは、TurboLinux4.2とRedHat6.1です。X-Serverを入れ替えるだけですとX-TT(日本語フォントを簡単に追加できるサーバー)がうまく動かなかったりするので注意してください。わたしもこれに気づかず無用なfont.dirの作り替えに無駄な労力をかなり使ってしまいました。

 無事にBansheeでXが動くようになりましたが、まだQuake2のハードウェアアクセラレーションが効きません。ハードウェアアクセラレーションの方法は、ごく最近3DfxのWebページ(driver/linuxのセクション)で丁寧な説明が掲載されるようになりました。これには本当に腹が立ちます(笑)が、わたしの苦戦していたときにはそれがなく、インターネット上に散らばる数々の英語のドキュメントを読み比べて、一歩一歩やるしかありませんでした。せめてもう2ヶ月早く公開してほしかった^^;。詳しいことは3Dfxの公式ページを読んでいただければよいと思いますが、それでここに何も書かないと元も子もないので概要だけ書かせていただきます。rootで作業する時はシステムを壊すこともありえますので、ダウンロードしたパッケージをインストールするときは付属のreadmeファイルを必ず読んでくださいね。

 まずデバイスドライバのソースファイルDevice3Dfx-2.3-1.src.rpmをダウンロードします。--rebuildオプションでこのrpmをインストールすると/usr/src/redhat/RPMS/i386/Device3Dfx-2.3-1.i386.rpmが作られますので、これを改めてrpmコマンドを使ってインストールします。rebuildの際にエラーが出るようだったら開発環境が入っていないということです。開発環境といっても大仰なものではなく、makeなどのいくつかのパッケージが入っていればいいはずです。

 次はglideのインストールです。手持ちのLinuxがglibcの2.0か2.1ベースだったら、それぞれに応じてGlide_V3-2.60-8.i386(.glibc20).rpmをダウンロードし、インストールします。これはバイナリパッケージなので簡単ですね。gnomeだとgnorpmを使うとよいし、もちろんglintやturbopkgなどでインストールしてもOKです。

 これで用意が整いましたのでLinuxを再起動し、Xを16bitモードで起動し、フルスクリーン解像度でdemoを動かしてみます。Xの色数をあらかじめ強制的に決めるには「startx -- -bpp 16」で行けます。16ビット以外のときは例えば8ビットなら「startx -- -bpp 8」ですね。フルスクリーンはおのおののXが1024*768であるか800*600であるか、確認すると良いでしょう。肝心のデモファイルは/usr/local/glide/bin/test3dfxです。うまくデモが動くと赤い文字で「a」のキーを押すと始まる旨、英語で促されますので、おもむろに「a」を押すとよいでしょう。閃光がきらめき、3Dfxのロゴがくりくりっと高速回転しデモが終わります。ここまで動いたら

勝ったも同然

です。

 次にMesaLib-3.1のインストールです。(なお、Mesaは特に追加しなくても動くというような気がします。Glideパッケージにすでに含まれているんでしょうか。quake2のCD-ROMにはMesaのバージョン2のシェアードライブラリが入っていたように思います。まともに動くようなら、以下の操作は必要ないと思いますので、Mesaのバージョンを上げたい・ぜひインストール方法を身につけたい人だけ参照願います。もちろん動作保証などわたしはしません。) Mesaのソースファイルはhttp://www.mesa3d.org/などにありますので、どこかの適当なミラーサイトで入手し、tar.gzなどの圧縮ファイルを展開してコンパイルします。しかしただ単に「make」だけではヘルプが表示されるだけで何も起きません。このヘルプをちゃんと読むためにはパイプをつけて例えば「make | less」がよいでしょう。lessを抜けるには「q」です。lessの抜け方がわからなくて毎回リセットしていた…という笑うに笑えない話をどこかで聞きました。Bansheeでインストールするにはmake linux-386-opt-V2-glideだったでしょうか。問題無くmakeが終わったら、できたバイナリファイルを/usr/libなどの/etc/ld.so.confで指定してある場所にコピーしてください。そしてldconfig -vでシェアードライブラリを更新するおまじないをしてはじめて新しいライブラリが使えるようになります。あとはQuake2をXのソフトウェアモード./quake2 ref_gl softxで起動してから、glideモードに切り替えてやるだけです。ここにこう書いてしまうとすごく簡単ですが、わたしの場合なかなかmakeが成功せず、何度もmakeとmake cleanを繰り返しました。シェアードライブラリだってぜんぜん言うことを聞かず、/etc/ld.so.confを何回となく編集したし、架空のディレクトリを作ってそこにMesaのファイルをコピーしてみたり、試行錯誤しました。コンパイルのことひとつにしても、FreeBSDのカーネル再構築程度しかやったことがなかったし、ldconfigの仕組みもわからないままDOOM2でsvgalibをかろうじてなんとか動かせた程度でしたから、今回の悪戦苦闘で多くのものが得られたと思います。結果のglideアクセラレーションはたしかに滑らかですが、CPUパワーのある最近のマシンではソフトウェアレンダリングでもそこそこきれいで速いので、何も無理に苦労してコンパイルしなくてもよかったような気もします。コンソールのソフトウェアモードでも何の不満もない描画品質ですから、3Dfxは必須ということはぜんぜんありません(これは保証します)。コンソールなら少し昔のTridentやATIの激安ビデオカードでも問題なく動くかもしれませんね。

 逆にハードウェアアクセラレーションをかけたことによって、不都合もあります。わたしのマシンの場合(ていうか設定が甘いのかもしれない)、マッピングがうまくいってないようで、Quakeの

キャラたちがのっぺらぼう

なのです。また、拳銃を撃っていると突然拳銃の弾丸が止まらなくなり、いつまでも打ちつづけて他のキーを受け付けなくなったりします(これってハングアップ?)。フルスクリーンモードだからかもしれませんが、マルチタスクで別のタスクに逃げようにも逃げられず、Alt+F1,F2といったタスク切り替えも効かなくなります。やっぱりハングアップだわ。だれか同じ症状の出てる人、お知らせください。Xを16ビットで起動しなくてはいけないというのも悔しいですね。わたしのビデオメモリをかえせー…みたいな。動きはしたものの安定してないので使う気になれない…というのはLinux版DOOM2も同じことが言えました。LinuxがせっかくメインOSにのし上がったというのに、いまだにDOOM2をやるときはWindowsを起動してるわたしっていったい何。しかもDOS/V版なのだからDOSだけでいいはずなのですが、CD-Rに膨大なwad集(専用線を使ってftpでごっそり落としてきた)を焼いてしまったので、その読みこみにはWindowsがあったほうが楽なんです。いまさら16bitのCD-ROMドライバなんてconfig.sysに書く気がしない、ってことですね。

 話を元に戻しますと、Linuxのデバイスドライバの組み込みというのは、Windowsのようなレジストリというデータベースの介在がない分だけ、単純で見通しがよいものと言えます。要するにすべてファイル単位で物事を進められるということです。基本的にLinuxではカーネルからハードウェアを使えるようにして、そのあと追加モジュールという形でイーサネットやSCSIなどが利用可能になります。今回触れたようなビデオカードに関しては、基本的にはXFree86のそのバージョンで動くかどうかにかかってきますし、これを設定するためのツールはXconfigurator(コンソール版・ほぼ自動)・XF86Setup(VGAのGUIベース・自動)・xf86config(コンソール版・対話的ツール)の三種類が主なものです。経験的に言えるのは古いボードは比較的簡単に動きますが、発売後一年も経っていないような新しいカードの設定は苦労させられます。みなさんもご存知の通りビデオカードの発売サイクルはどんどん加速する傾向にあり、いくらリニューアルしても追いつかないほどでしょう。もちろん最新の物は高いし、財布の中味も追いつきませんね。しかしPC-UNIXの世界も負けていなくて、XFree86のバージョンも次々に上がっていきます。そのたびに新しいビデオカードが動くようになっていきますし、この動きを見ているのはわたしの一つの楽しみでもあります。ただ、AGP2xとか4x・テクスチャメモリの高速化とかはWindowsのドライバあってこその話ですので、高いカードを宣伝に乗せられて買うのであれば、メーカー推奨どおりのWindows環境でそれなりのゲームを使い倒さないと採算は取れないでしょう。Linux関連では2DのデスクトップGUI環境がやっとのことでWindowsに迫ってきたという感じです。タスクバーにショートカットを登録したり、まともに日本語化されたソフトをユーザーが使えるようになってきたのはごく最近1,2年のことです。これはKDEやGNOMEといったデスクトップ環境の進化が大きく貢献していると思います。fvwmやqvwmといったウィンドウマネージャの設定ファイルをエディタで開いて、一つ一つ編集しなくてはならなかった苦難の日々を考えると、ここ最近のLinuxのお手軽さはMS-Windowsに近づいてきているのではないでしょうか。このあたり、質素を旨とするFreeBSD陣営も焦りを感じているのか、3.4-RELEASEのインストーラはLinuxエミュレーションを行うかどうかたずねてくるのが面白いですね。FreeBSDのインストールが終わりX windowを起動すると、

いまだにtwmが立ち上がり、

味も素っ気もないターミナル三つと時計のみがデスクトップに出てくるのには、反骨精神すら感じさせられます。

 いまどきのOS全般に言えることとして、コンピュータの内部の事情はわかりにくいがインストールも使い勝手も簡単。しかしまともに動かないときにどこをどう直したらよいのかわからない。ツールはあっても、それ自体が動かないとお手上げになる。しかも全体的に重い…。ラッピングされているからなんですよ、何もかも。外部メモリの搭載量が最低128MB。192MBとか256MBも当たり前…って世界、なんかおかしいと思いませんか。某日電の9800シリーズを使っていた頃は、みんな4MBや8MBで十分な仕事ができてましたよねえ。でもラッピングが一概に悪いとも言えない面があります。グラフィカルなツールで全体を統一したことで、これからコンピュータを始めようとする人のPCに対する心理的な壁が低くなったことは否めません。特別な教育や訓練を受けなくても、テレビや家電を扱うのと同じようにコンピュータが使えるようになったのはすばらしいことだと思います。携帯電話の爆発的普及と共に電子メール利用者も増加の傾向にあります。各家庭で当たり前のように家電のROMに組み込まれたMozilla互換のブラウザが動き、インターネットのWebページが閲覧できる時代が目の前まで来ているのです。簡単なインターネット接続サービスで利益を得ようとする企業と、安い費用で情報を得ようとする顧客の思惑が一致したのです。ですから「インターネットするにはコンピュータが必要。それには20万円以上の投資が必要」という図式は壊れようとしていますね。携帯やPDAでブラウザが動いてますし、いくらAppleやPCメーカーがP3やG4の高価なPCを売り込もうとしても、もう客はたくさんの金を出しません。この自由競争の中で、軽くて速いLinuxが一気にのし上がるんじゃないでしょうか。WinもDOSもMacもLinuxも共通して言えるのは、専門知識が必要で困難な作業はインストールやソフトのセットアップ・プログラム開発に限られるわけですから、使う側から考えれば、とにかく電源を入れて使いたいソフトが問題なく動けばいいわけです。現時点で主流になりつつあるのは10万円前後の安売りPC/AT互換機+Windows98プレインストールといった線でしょう。メールの読み書きやWeb閲覧ができてワープロも打てる・もちろん日本語にも対応しなくてはならない…となると、Linuxはもう一歩という感じがします。OSがDOSからWinに急激にシフトしたのは記憶に新しいことと思いますが、DOSが嫌がられたのは

「コマンドラインが嫌だ」

という一点だったのではないでしょうか。文字をたくさん打たないといけない・面倒・覚えることが多すぎる…といった理由でコンピュータに一目置いてしまった人は多かったと思います(わたしもその一人か…)。Windowsも95あたりは構造が単純だったのに、98になってからIEのバージョンアップ・Outlookの複雑怪奇さ(シフトJISコードをメールにして送ってしまうなどという言語道断なソフトは、知ってる限りOutlookだけです)でMSは自分の首を絞めようとしているとしか思えません。しかも起動に時間がかかるし。長時間かかる起動は、わたしはNT4.0で慣れているつもりでしたが、Windows2000は半端じゃないですね。とくにServerはすごい。疲れてるときなんか、眠ってしまうぞー。下手すると三分近くかかります。8MHzや10MHzの古きよき某日電パソコンでも、メモリチェックが終わった後プロンプトが出るまで、どんなに長いコンフィグ書いたって一分かかった試しはなかったというのに。あの巨大なWindowsレジストリがみんな悪い。Linuxは1~2MBのカーネルでほとんど事足りるのです。もうすぐ発売のPlayStation2は中味はLinuxという噂ですが、専用機ですからカスタマイズの必要もないし、これは憶測でしかありませんがカーネルはきっと数百キロバイト(0.1~0.9MB)なのではないでしょうか。

 Linuxの有用性を展開するつもりでしたが、はっきり言ってそうでない面もあります。ソフトが少ない。これは致命的ですね。PC-FXが売れなかったのと同じですか。今後増えるかどうか…はわたしにもわかりません。ソースコードが全部あからさまに公開されているので、その気になればいくらでも直せるというのが一番強い力でしょう。しかしその気にならなければ、依然として「文字をたくさん打たないといけない・面倒・覚えることが多すぎる」という、DOSのときと同じ原因で初心者ユーザーが寄りつかないという現実は受け入れなくてはならないでしょう。コンソール画面に指先からつむぎ出される呪文のようなコマンドラインオプションにしびれてしまう傍観者は今時いないでしょう(これは大学のころのわたし・呪文をつむぎ出すのはもちろんわたしではなくて、研究室の某芦野ドクター。おっと実名だ!)。

 というわけでせっかく動くようになったLinuxでの3Dfx Bansheeのハードウェアアクセラレーションでしたが、とある理由でBansheeはメインマシンから外してしまいました。メインマシンでは今Permedia2が復活しています。Xも入れ替え、Windowsのドライバも入れ替えてしまいました。ときどきこうやってダウングレードを挙行するんですが、ハードウェア性能を落としても大して体感できないことがままあります。パーツを少しずつ入れ替えることで自作コンピュータというのは生きたマシンになるわけで、次々に仕様が変わることで不安定要因にもなります。だいぶ入れ替わってサイボーグ状態になってきたなぁ…という頃合で、思い出したようにすっぱりとOSを入れ直す、というのが常套手段ですね。とくにWindowsの場合は膨れ上がったレジストリが一気に小さくなりますから、パーテーションの初期化とOSの再インストールは

体感速度が劇的に向上

します。例えばわたしの職場のマシンのNTFSパーテーションはずっとOS入れ替えをやってませんが、一年前のベンチマークとはかなりの差が出ています。その点Linuxはレジストリがありませんので、Windowsのように使いこめば使いこむほど遅くなっていくということはありません。

 今回取り上げたBansheeビデオカードは、もう秋葉原の第一線から退いています。入手は困難かもしれませんが、でもまだ探せば新品も見つかるでしょうし(Creativeの3D Blasterということで採用されていたときがあった)、バルク品の処分で出物にもなりそうです。そこら辺のRiva128無印やG200よりははるかに高速なので、5000円以下だったりしたらみなさんも買ってみて試していいのではないかと思います。もちろん最新鋭のG400とかTNT2とかGeforceに比べたら見劣りするかもしれませんが、3Dfx BansheeはDirect3Dを動かしてみるだけでも買う価値があると思えるカードです。


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